慣用句
出しにする (だしにする)
出にする/出しにする/出汁にする 読み:ダシニスル
とは、
『自分のために他のものを利用すること』
概要
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「出しにする」は慣用的な表現で、何かを「表向きの理由」や「口実」として利用し、実際には自分の利益や目的のために使うことを意味する。
多くの場合、否定的なニュアンスを伴い、相手を軽んじて手段化するような場面で用いられる。
例文
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・彼は自分の失敗を、部下の責任を出しにして正当化した。
・環境問題を出しにして、新しい法律を通そうとしている。
語源
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料理用語の「出汁」に由来する。
「出汁」は昆布やかつおぶしなどを煮出して旨味を取るものであり、「材料を利用して旨味を引き出す」という行為から、人や事柄を自分の目的のために利用することを「出しにする」と表現するようになった。
つまり「料理の材料を使って旨味を取ること」と「口実として他人や物事を利用すること」を重ね合わせた比喩表現。
同義語
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鼻を明かす (はなをあかす)
鼻を明かす/鼻をあかす 読み:ハナヲアカス
とは、
『相手を出し抜いて思い知らせること』
概要
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「鼻を明かす」とは、相手の予想を裏切って出し抜き、思いがけない結果で驚かせることをいう。
単に恥をかかせるというよりも、「してやったり」と優越感を伴う表現として使われることが多い。勝負事や競争、日常のやり取りなど幅広い場面で用いられる慣用句。
例文
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・新人がベテランの先輩に鼻を明かすようなアイデアを出した。
・弱小チームが強豪相手に鼻を明かす勝利を収めた。
・普段大人しい彼が見事なプレゼンをして、周囲の鼻を明かした。
語源
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語源は「鼻(花)を明かす(明らかにする)」という比喩に由来すると考えられている。
鼻は「鼻にかける」「鼻が高い」という表現に見られるように、自慢や優越感の象徴であり、花もまた人目を引くものの比喩である。
これに「明かす(明らかにする)」が結びつき、相手が隠し持っていた得意や切り札をこちらが先に明らかにしてしまい、虚を突くという意味が生まれた。
そこから転じて「出し抜いて驚かせる」という表現として定着した。
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炭鉱のカナリア (たんこうのかなりあ)
canary in a coal mine 読み:カナリーインアコールマイン
炭鉱のカナリア 読み:タンコウノカナリア
とは、
『危険や異変をいち早く知らせる存在』
概要
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「炭鉱のカナリア」とは、炭鉱で有毒ガスを検知するためにカナリアを持ち込んだ歴史に由来する言葉。
カナリアは人間よりも有害ガスに敏感なため、異常が起きると最初に倒れることから、危険の予兆を示す存在の比喩として使われる。
現代では環境問題や社会現象などで、最初に被害を受ける人や集団を指して用いられることが多い。
語源
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canary「カナリア」 coal mine「炭鉱」で、直訳すると「炭鉱の中のカナリア」という意味。
実際に炭鉱でカナリアを使ってガス検知を行っていたことに由来し、日本語では直訳の形で「炭鉱のカナリア」と表現されるようになった。
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万死に値する (ばんしにあたいする)
万死に値する 読み:バンシニアタイスル
とは、
『何度死んでも償いきれないほど重大な罪や過ちがある』
概要
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「万死に値する」とは、非常に重い罪や許されない行為に対して、「死をもって償う価値がある」「何度死んでも足りないほどである」と表現する強い非難や自己批判の言葉。
古典的な道徳観や武士道的価値観に基づき、自らの行為や他者の行為が極めて重大であることを強調する場面で用いられる。
現代では、重大な過失や背信行為に対する誇張的な表現、あるいは謝罪や反省の場面での厳粛な言い回しとして見られる。ただし、やや古風で硬い印象があり、日常会話ではあまり使われない。
例文
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・このような失態、まさに万死に値する所業だ。
・敵を欺いたその裏切りは万死に値する。
語源
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万死「何度も死ぬ」という意味で、「何度死んでも足りない」とする強調表現「万死に値する」は中国古典に見られる語法に由来し、日本では儒教的道徳観や武士道と結びついた語として、謝罪・忠誠・処罰などの文脈で使われるようになった。