慣用句

万死に値する (ばんしにあたいする)

万死に値する 読み:バンシニアタイスル
とは、

概要

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万死に値する」とは、非常に重い罪や許されない行為に対して、「死をもって償う価値がある」「何度死んでも足りないほどである」と表現する強い非難や自己批判の言葉。

古典的な道徳観や武士道的価値観に基づき、自らの行為や他者の行為が極めて重大であることを強調する場面で用いられる。

現代では、重大な過失や背信行為に対する誇張的な表現、あるいは謝罪や反省の場面での厳粛な言い回しとして見られる。ただし、やや古風で硬い印象があり、日常会話ではあまり使われない。

例文

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・このような失態、まさに万死に値する所業だ。

・敵を欺いたその裏切りは万死に値する

語源

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万死「何度も死ぬ」という意味で、「何度死んでも足りない」とする強調表現「万死に値する」は中国古典に見られる語法に由来し、日本では儒教的道徳観や武士道と結びついた語として、謝罪・忠誠・処罰などの文脈で使われるようになった。

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万死

山吹色の菓子 (やまぶきいろのかし)

山吹色の菓子 読み:やまぶきいろのかし
山吹色のお菓子 読み:やまぶきいろのおかし
とは、

概要

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山吹色の菓子とは、表向きには高級な和菓子などを意味するように見えるが、実際には金品、特に金銭による賄賂を指す隠語的な言い回し。

直接的な表現を避け、柔らかく、かつニュアンスで金銭の受け渡しを示すために使われる。

時代劇や時代小説、またビジネスの皮肉交じりの表現などで見かけることがある。

語源

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山吹色」とは黄金に近い黄色を指し、金貨(特に江戸時代の小判)の色にたとえられたことから生まれた表現。
つまり「山吹色=金(かね)」であり、「菓子」は贈り物の体裁を装った婉曲表現。
これらを組み合わせた「山吹色の菓子」は、金の賄賂をやんわりと示す言葉になった。

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糸の切れた凧 (いとのきれたたこ)

糸の切れた凧 読み:いとのきれたたこ
糸が切れた凧 読み:いとがきれたたこ
とは、

概要

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糸が切れた凧」は、凧の糸が切れて風まかせに空を漂うようすを比喩的に用いた表現。人や物事が、指導や抑制を失って好き勝手に動き出す様子、または目的や進む方向を見失い、行き先が不安定になっている状態を表す。

たとえば、「親の反対を押し切って家を飛び出したが、今では糸が切れた凧のようにふらふらしている」といった使い方をする。

語源

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実際の凧は、糸が切れると風に流されて不規則に動くことから、人の行動や心の状態になぞらえた比喩表現として使われるようになった。

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いい面の皮 (いいつらのかわ)

好い面の皮/いい面の皮 読み:いいつらのかわ
好面の皮 読み:よいつらのかわ
とは、

概要

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好い面の皮とは、本人が損な役回りや割に合わない状況に置かれているにもかかわらず、それに気づかずにいる人に対して、皮肉を込めて使う言葉。

特に、厚かましく振る舞っているのにその立場の不利さを自覚していない人や、不本意な状況にあるのに気づかずにいる人に対して用いられる。

語源

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「面の皮」は顔の皮膚を指し、転じて羞恥心や遠慮といった感情を表すようになった。「好い」は単に「良い」という意味ではなく、皮肉や反語的なニュアンスを含む。江戸時代の芝居や落語で使われた表現が影響しているとされるが、語源には諸説あり特定は難しい。

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皮肉

上前を撥ねる (うわまえをはねる)

上前を撥ねる/上前をはねる 読み:ウワマエヲハネル
とは、

概要

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上前を撥ねる」は、商売や取引で相手の利益を奪うことを指す。

具体的には、売り上げの一部を自分の取り分として取るなど、不正に利益を得る行為を表す。

語源

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この表現の「上前」は、江戸時代の「上米」に由来している。「上米」は、幕府に納める米を意味し、大名が幕府に上納する米を指していた。

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上前