医学

前頭葉 (ぜんとうよう)

前頭葉 読み:ゼントウヨウ
Frontal lobe 読み:フロンタルローブ
とは、

概要

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前頭葉は、大脳の四つの主要な領域のうち、最も前方に位置する部分を指す。

主に理性的な思考、判断力、計画性、言語表現、感情の調整、注意の集中といった高次の認知機能に関与している。

また、運動機能をつかさどる運動野もこの前頭葉内に含まれる。

発達段階や個人差により働き方に違いが見られ、特に人間においては高度な社会的行動や自己制御に関わる脳部位として重要視されている。

語源

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前頭「頭部の前方」「脳の分かれた領域」という意味から。
つまり「前頭葉」は「頭の前方にある脳の一領域」を表す医学用語で、解剖学や神経科学の分野で用いられる。

英語の frontal lobe は、frontal はラテン語 frons「額、前面」から派生し、「前方の・額の」という意味を持つ。
lobe はギリシャ語 lobos「丸くふくらんだ部分、葉」に由来し、解剖学では「葉状の部分」を指す。
つまり frontal lobe は「前面の葉状部分」、すなわち「脳の前側にある葉状の領域」を表す言葉。

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大脳

側頭葉 (そくとうよう)

側頭葉 読み:ソクトウヨウ
Temporal lobe 読み:テンポラルローブ
とは、

概要

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側頭葉は、大脳半球の外側、こめかみのあたりに位置する脳の部位で、大脳の四つの主要な領域のひとつ。

主に聴覚情報の処理、言語理解、記憶の形成(特に海馬)、感情の調整(特に扁桃体)に関与している。

側頭葉の損傷や機能障害は、言語の理解障害(ウェルニッケ失語)や記憶障害、情動の異常行動などを引き起こすことがある。

左右で役割に違いがあり、特に左側頭葉は言語処理、右側頭葉は音楽や空間認識に関連する機能を持つとされている。

語源

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側頭「頭の側面」「脳の分かれた領域」を意味し、「側頭葉」は「頭の横にある脳の部分」を表す解剖学的名称。

英語では “temporal lobe” と呼ばれ、temporal「頭の側面の」に由来している。

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海馬

大脳

クリューバービューシー症候群 (くりゅーばーびゅーしーしょうこうぐん)

Klüver–Bucy syndrome 読み:クリューバービューシーシンドローム
クリューバービューシー症候群 読み:クリューバービューシーショウコウグン
とは、

概要

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クリューバービューシー症候群は、主に大脳側頭葉(特に海馬や扁桃体など)が損傷を受けた結果生じる一連の神経行動異常を指す。

特徴的な症状としては、過剰な食欲や口唇探索行動(物を口に入れる行動)、性的衝動の亢進、感情鈍麻、視覚失認などがある。

1970年代に神経科学者の Heinrich Klüver(ハインリッヒ・クルーバー)と Paul Bucy(ポール・ビューシー) がサルの実験でこの症候群を報告したことから名付けられた。

人間では脳損傷や感染症、脳炎などによって発症することがある。

期限・語源

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名前はアメリカの神経学者 Heinrich Klüver(ハインリッヒ・クルーバー)と Paul Bucy(ポール・ビューシー) に由来する。
彼らが1930年代に行った霊長類の脳手術実験で特異な行動変化を観察し、この症候群を初めて記述した。

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側頭葉

海馬

大脳

経口補水液 (けいこうほすいえき)

経口補水液 読み:ケイコウホスイエキ
とは、

概要

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経口補水液は、脱水状態に陥った体に対し、水分と電解質を口から効率よく補給するために設計された飲料。

水にナトリウムやカリウムなどの電解質、そして少量の糖分がバランスよく溶けており、腸からの吸収が高められるようになっている。

体内で重要な電解質には、ナトリウム(Na⁺)、カリウム(K⁺)、塩化物(Cl⁻)、マグネシウム(Mg²⁺)などがあり、これらは神経伝達、筋肉の動き、体液バランスなどに深く関わっている。

経口補水液は、発熱・下痢・嘔吐・熱中症などによる水分・電解質の喪失時に有効であり、特に高齢者や子どもにとって重要な対処手段となる。

スポーツドリンクと比べると、ナトリウム濃度が高く、糖分は控えめに調整されており、医療や救急の現場でも使用されることがある。

語源

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経口「口からのむこと」補水「水分をおぎなう」「液体」という意味から。つまり「経口補水液」は「口から飲んで水分と電解質を補うための液体」を表す言葉。医療・健康管理の分野で使われる専門的な用語。

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経口

熱中症

電解質

熱中症 (ねっちゅうしょう)

熱中症 読み:ネッチュウショウ
とは、

概要

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熱中症は、高温多湿な環境で体温の調節機能が乱れ、体内の水分や塩分のバランスが崩れることで発生する健康障害。

主な症状には、めまい、頭痛、吐き気、倦怠感、筋肉のけいれん、意識障害などがある。

炎天下での運動や作業中だけでなく、室内でも発症することがあり、特に高齢者や子どもにとっては命に関わる危険な状態となる。

重症化すると「熱射病」と呼ばれ、緊急の医療対応が必要になる。

語源

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「高い温度」「〜のなか」「症状」という意味から。つまり「熱中症」は「高温環境の中で発生する身体的な異常症状」を表す言葉。医学的には夏場によく見られる季節性の障害として位置づけられる。

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