
海馬 読み:カイバ
hippocampus 読み:ヒポキャンパス
とは、
『大脳内にある記憶や空間認識に関わる重要な神経構造』
概要
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海馬は、大脳辺縁系に属する神経組織で、主に記憶の形成や学習、空間認識に深く関わっている。
脳の左右に一対あり、側頭葉の内側に位置する。
短期記憶を長期記憶へと定着させる働きがあり、特に新しい記憶を作る能力において重要な役割を果たす。
また、空間を把握しながら身体を動かす機能にも関与するため、ナビゲーション能力とも関連がある。
アルツハイマー病などの神経変性疾患では、初期段階からこの海馬が萎縮しやすいことが知られている。
語源
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海「うみ」馬「うま」という意味から。
つまり「海馬」は「海にいる馬」のような形をしていることから名付けられた語で、脳内のこの部位がタツノオトシゴに似ていることに由来する。
英語では hippocampus といい、これはギリシャ語 hippos「馬」kampos「海の怪物」に由来し、ギリシャ神話に登場する「海の馬の姿をした生き物」にちなむ。
つまり hippocampus も「海の馬」を意味し、脳の構造がタツノオトシゴのように見えることから名づけられた。