医学

iPS細胞 (あいぴーえすさいぼう)

Induced pluripotent stem cell 読み:インデューストプルリポーテントステムセル
人工多能性幹細胞 読み:ジンコウタノウセイカンサイボウ
iPS細胞 読み:アイピーエスサイボウ
とは、

概要

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iPS細胞は、人や動物の体細胞(皮膚や血液など)に特定の遺伝子を導入して、多能性(さまざまな種類の細胞に分化できる性質)を持たせた人工の幹細胞

再生医療や病気の研究、新薬の開発などに広く利用されている。

2006年に京都大学の山中伸弥らがマウスで作成に成功し、2007年にはヒトのiPS細胞も作られた。

臓器や組織の修復、難病治療の可能性を大きく広げた技術として注目されている。

語源

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induced「人工的に誘導された」pluripotent「多能性の」stem「幹」cell細胞」という意味から。
つまり「iPS細胞」は「人工的に作られた多能性幹細胞」を指す。

同義語

iPS cells (アイピーエスセルズ)

iPSCs (アイピーエスシーズ)

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幹細胞

Legionella (レジオネラ)

legionella 読み:れじおねら
レジオネラ菌 読み:れじおねらきん
とは、

概要

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レジオネラは、レジオネラ属に分類される細菌の総称で、特に「レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)」という菌種が知られている。

この菌は主に温水や冷却塔、加湿器、水風呂、循環式の浴槽などの水環境に生息しており、これらから発生したエアロゾル(細かい水しぶき)を吸い込むことで人に感染することがある。

感染すると、「レジオネラ症」と呼ばれる肺炎(在郷軍人病)や、軽症の発熱を伴う「ポンティアック熱」を引き起こすことがある。

特に高齢者や免疫力が低下している人にとっては重症化しやすく、衛生管理上の重大な注意が必要とされている。

語源

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1976年にアメリカ・フィラデルフィアで開催された退役軍人(レジオン=Legion)会議に参加していた人々の間で集団肺炎が発生し、後に原因菌としてこの新種の細菌が発見されたことに由来する。
菌の名称「Legionella」は、この事件に関係する「American Legion(アメリカ在郷軍人会)」にちなんで命名された。日本語でもこの出来事に由来し、「在郷軍人病」という名称で知られる。

同義語

レジオネラ属菌 (れじおねらぞくきん)

在郷軍人病 (ざいごうぐんじんびょう)

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大脳 (だいのう)

大脳 読み:ダイノウ
とは、

概要

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大脳は脳全体の中で最も大きな部分で、人間の脳の大部分を占めている構造。

左右の大脳半球からなり、それぞれが前頭葉・頭頂葉・側頭葉後頭葉といった複数の領域に分かれている。

大脳皮質(表面の灰白質)は、思考、判断、記憶、言語、感情、運動、感覚などの高次機能を担っており、人間らしい知的活動の中心となっている。

内側には大脳髄質(白質)や大脳基底核などの構造があり、自律的な運動の調整や感情の制御にも関与している。

進化的にも発達が著しく、人間の高度な精神活動の基盤となる重要な部位。

語源

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「大きい」「あたまの中にある神経中枢」という意味から。
つまり「大脳」は「脳の中でも特に大きく中心的な部分」を表す言葉で、医学・生理学・解剖学などで用いられる基本語。

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前頭葉

側頭葉

後頭葉

後頭葉 (コウトウヨウ)

後頭葉 読み:コウトウヨウ
occipital lobe 読み:オクシピタルローブ
とは、

概要

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後頭葉は、大脳の四つの主要な領域のうち、最も後方に位置する部分を指す。

主に視覚情報の受け取りと処理を担っており、視覚野(一次視覚野)がこの領域に存在する。

網膜から送られてきた視覚信号は、視神経と視放線を経てこの後頭葉で分析され、物体の形や色、動き、空間的位置などが認識される。

視覚情報の解釈や視覚的記憶の形成において極めて重要な役割を果たすため、この領域が損傷すると視覚障害が生じる可能性がある。

語源

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後頭「頭の後方」「脳の分かれた領域」という意味から。
つまり「後頭葉」は「頭の後ろ側にある大脳の一領域」を表す医学用語で、解剖学や神経科学の分野で用いられる。

英語では occipital lobeといい、occipital はラテン語 occiput「後頭部」に由来し、ob-「〜の向こうに」caput「頭」という語根から成る。
lobe はギリシャ語 lobos「丸くふくらんだ部分」に由来する語で、解剖学的に「葉状部分」を意味する。
つまり occipital lobe は「頭の後ろ側にある葉状部分」、すなわち「大脳の後部に位置する領域」を指す言葉。

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大脳

海馬 (かいば)

海馬 読み:カイバ
hippocampus 読み:ヒポキャンパス
とは、

概要

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海馬は、大脳辺縁系に属する神経組織で、主に記憶の形成や学習、空間認識に深く関わっている。

脳の左右に一対あり、側頭葉の内側に位置する。

短期記憶を長期記憶へと定着させる働きがあり、特に新しい記憶を作る能力において重要な役割を果たす。

また、空間を把握しながら身体を動かす機能にも関与するため、ナビゲーション能力とも関連がある。

アルツハイマー病などの神経変性疾患では、初期段階からこの海馬が萎縮しやすいことが知られている。

語源

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「うみ」「うま」という意味から。
つまり「海馬」は「海にいる馬」のような形をしていることから名付けられた語で、脳内のこの部位がタツノオトシゴに似ていることに由来する。

英語では hippocampus といい、これはギリシャ語 hippos「馬」kampos「海の怪物」に由来し、ギリシャ神話に登場する「海の馬の姿をした生き物」にちなむ。
つまり hippocampus も「海の馬」を意味し、脳の構造がタツノオトシゴのように見えることから名づけられた。

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