方言

きどい (キドイ)

きどい 読み:キドイ
とは、

山形方言

概要

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きどい」は、山形を中心に使われる方言で、主に山菜のあくやえぐみ、強いクセを感じるときに使う語。

味が濃い、風味がとがっている、といったニュアンスを含み、食べづらさを伴う場面で用いられることが多い。「この山菜、きどくてかんねー(食えねー)」のように、日常の食に関する感覚的な表現として定着している。

例文

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・このわらび、きどくて食われね。

・山菜は好きだけど、これはちょっときどいな

語源

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語源には諸説があり確定していない。

一説では、「きっと」の古い形とされる「きと」に由来し、「そのもの本来の特徴がはっきり表れている」という性質を示す語だったとされる。
この説では富山方言「きときと(新鮮で活きが良い)」と同系統とみなすが、学術的な裏付けは十分ではなく、推測的な位置づけにとどまる。

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へらこい (ヘラコイ)

へらこい 読み:ヘラコイ
とは、

概要

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へらこい」は、近畿地方を中心に、中国地方や四国地方の一部でも使われる方言で、「ずる賢い」「要領がいい」「抜け目がない」といった意味を表す。

会話の中では、相手の抜け目なさや口のうまさを軽く揶揄する場面で使われることが多い。

地域によって響きにやや違いがあり、単に「世渡りが上手」という肯定的なニュアンスで使われることもある。

例文

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あの子はへらこいから、初対面でもすぐに場を盛り上げる。

語源

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語源は明確ではないが、いくつかの説がある。有力なものの一つに、「はらぐろい(腹黒い)」が音変化して「へらこい」になったとする説がある。

ほかに、「へらへら」した軽妙さと「こい(濃い)」を組み合わせたという説や、「減らす」と「こい」が結びついたとする説もある。

いずれにせよ、西日本の話し言葉の中で生まれた表現と考えられている。

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こって牛 (こってうし)

こって牛 読み:コッテウシ
とは、

概要

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こって牛」は、地域によって異なる意味を持つ方言的な表現。

鹿児島地方では、「牡牛(おすうし)」や「雄牛(おうし)」を意味し、「ことい牛(特牛)」が訛って変化したとされる。
力強く立派な雄牛を指す言葉として使われることがある。

一方、大阪の河内地方では、親や年長者の言うことを素直に聞かない強情な人を指す俗語として使われる。
主に親しみやからかいの気持ちを込めて用いられることが多い。

共通語ではないが、地域では比較的なじみ深い言い回し。

語源

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鹿児島方言では「ことい牛(特牛)」が転じたとされ、「特別に強い牛」「立派な雄牛」を意味する言葉が「こって牛」となったと考えられる。

河内地方では、「頑固で折れない=こっている」性格と「牛」を結びつけた表現とされ、比喩的に頑固な人の性格を牛に例えて用いたもの。

いずれも地域特有の方言表現である。

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きときと (キトキト)

きときと 読み:キトキト
とは、

富山の方言

概要

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きときと」とは、主に富山県を中心とした北陸地方の方言で、「新鮮で活きがよい」「元気で張りがある」といった意味で使われる言葉。

特に魚や野菜などの鮮度が高いものに対して用いられることが多く、富山の市場や観光案内などでも「きときと」は品質の良さを表す表現として親しまれている。

また、人の様子に対しても使われることがあり、「元気で生き生きしている」状態を指す。

使用例

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きときとの魚が並んどるよ。
(新鮮な魚が並んでいるよ。)

・あの子はきときとしてて、見てて気持ちがいいね。
(あの子は元気で生き生きしていて、見ていて気持ちがいいね。)

語源

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明確な語源は不詳だが、擬態語的な用法で、動きや勢いのある様子を音で表現したものとされる。「ぴちぴち」や「いきいき」に近い感覚で使われる。富山弁としての地域性が強く、県外ではあまり一般的ではない表現。

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ばくる (バクル)

ばくる 読み:バクル
とは、

北海道の方言

概要

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ばくる」は北海道をはじめとした一部の地域で使われる方言で、「交換する」「取り替える」という意味をもつ。

たとえば、「お菓子ばばくろう(お菓子を交換しよう)」というふうに使われる。特に子ども同士が物を交換する場面などでよく使われてきた。

また、「ばくりっこ」という形でも使われ、「○○と○○をばくりっこしよう(○○と○○を取り替えっこしよう)」のように、親しみのある表現として日常会話に登場する。

語源

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ばくる」は「博労(ばくろう)」を語源とする言葉。博労とは、かつて牛や馬などの家畜を仲介・売買していた職業で、物々交換も行っていたことから、「交換する」という意味の動詞として派生したと考えられている。

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