科学
Inosine (イノシン)
inosine 読み:いのしん
とは、
『ヒポキサンチンとリボースが結合した、核酸の構成成分』
概要
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イノシンは、プリン塩基の一種であるヒポキサンチンとリボース(糖)が結合したヌクレオシドの一つ。
体内ではアデノシンからの代謝によって生成され、核酸の分解経路やエネルギー代謝に関与する。
また、肉類に含まれる「うま味成分」イノシン酸の前駆物質でもあるため、食品科学の分野でも重要視される。
生体内では一時的な代謝中間体として存在し、酵素によってさらに分解されることもある。
語源
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ギリシャ語 inos(ἴνος)「筋肉」-ine「化学物質を表す」による造語。
これは、イノシンが初めて筋肉組織から発見されたことに由来する。
つまり「inosine」は「筋肉由来の化合物」を意味する名称である。
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グルタミン酸 (ぐるたみんさん)
Glutamic acid 読み:グルタミックアシッド
グルタミン酸 読み:グルタミンサン
とは、
『非必須アミノ酸の一種で、昆布などに含まれる植物由来のうま味成分』
概要
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グルタミン酸は、人体や多くの生物の体内に広く存在するアミノ酸の一つで、たんぱく質を構成する成分として重要な役割を果たす。
体内で合成可能な「非必須アミノ酸」に分類され、主に神経伝達物質として脳内で働いたり、エネルギー代謝に関与したりする。
また、昆布などに含まれる天然のうま味成分としても知られ、食品添加物として使われる場合は「グルタミン酸ナトリウム(MSG)」の形で利用される。
食品分野では「うま味」の代表的な物質として認知されており、味覚の基本要素のひとつ(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味)の構成要素にもなっている。
グルタミン酸そのものは無色結晶で、水に溶けやすく、酸味とうま味を併せ持つ性質がある。
また、イノシン酸やグアニル酸などの他のうま味成分と組み合わせることで、うま味が相乗的に強まる性質がある。
語源
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gluten「小麦たんぱく)」から派生した言葉。19世紀に小麦グルテンを加水分解して得られた成分として発見されたことにちなむ。「acid」は「酸」を意味し、「グルテン由来の酸性物質」という意味合いがある。のちにアミノ酸の一種であることが解明され、化学や栄養学、食品科学など多分野で用いられる用語となった。
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Glutamine (グルタミン)
glutamine 読み:ぐるたみん
とは、
『体内で合成される非必須アミノ酸の一つ』
概要
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グルタミンは、たんぱく質を構成するアミノ酸の一種で、体内で自然に合成される「非必須アミノ酸」に分類される。
筋肉、血液、臓器などに多く存在し、主に免疫機能の維持、消化管の保護、筋肉の修復、エネルギー供給などに関与している。
ストレスや疾患、激しい運動などで消費量が増えると、一時的に不足することがあるため、栄養補助食品として摂取されることもある。
また、体内ではグルタミン酸から合成され、逆にグルタミン酸へと変換される可逆的な関係がある。
脳や腸、腎臓などでも重要な役割を果たし、生理学的にきわめて重要なアミノ酸のひとつ。
語源
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「glutamine」は、アミノ酸「グルタミン酸(glutamic acid)」から派生した名称。グルタミン酸にアンモニアが結合した構造を持つため、その誘導体として「glutamine」と名付けられた。語尾の「-ine」は、化学においてアミノ酸やアルカロイド類を表す語尾。語源的には「gluten」に由来し、もともと小麦タンパクの加水分解によって得られた成分として発見された。
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水耕栽培 (すいこうさいばい)
水耕栽培 読み:スイコウサイバイ
とは、
『土を使わず、水と養分で植物を育てる方法』
概要
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水耕栽培とは、植物を育てる際に土を使わず、水に溶かした栄養分(液体肥料)を使って栽培する方法のこと。
根は水や人工の培地に支えられ、必要な養分は水に含まれているため、土壌を使わずに清潔かつ効率的に育てることができる。
屋内やビルの屋上、専用の装置などでも行いやすく、家庭菜園から大規模農業まで幅広く利用されている。
主にレタスやハーブ、トマトなどが代表的な作物とされる。
語源
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「水耕」は「水で耕す」つまり「水を使って植物を育てる方法」、「栽培」は「植物を育てること」という意味。2語を組み合わせて「水を用いた栽培方法」という意味の熟語になっている。近代農業技術の一環として定着した用語であり、主に農業や園芸の分野で使われる。