科学

ミョウバン (みょうばん)

Alum 読み:アラム
ミョウバン/明礬 読み:みょうばん
とは、

概要

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ミョウバンは、硫酸アルミニウムと硫酸カリウムまたは硫酸アンモニウムなどが結合してできる二重塩のことを指す。

水に溶けると酸性を示し、古くからさまざまな用途に用いられてきた。
代表的には食品添加物としての利用があり、漬物の発色やパリッとした食感を保つために使われる。

また、染色における媒染剤、皮なめし、制汗剤やデオドラント(防臭)の成分、さらには水の浄化(濁りを沈める作用)など、多方面で用いられる。

日本では江戸時代から広く使われ、生活に密接した化学物質の一つといえる。

語源

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明礬

「明らか、澄んでいる」「礬土(酸化アルミニウムを含む鉱物)」を意味する。
つまり「明礬」とは「澄んだ鉱物の礬」という意味で、透明な結晶として産出する性質に基づいた名称である。

Alum

ラテン語 alumen「苦い塩、収れん性をもつ塩」が語源。
これが古フランス語 alun を経由して、中世英語に入り、最終的に alum となった。

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Keton (ケトン)

Keton 読み:けとん
とは、

概要

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ケトンは、有機化学における基本的な官能基をもつ化合物群を指す。

構造的には、カルボニル基(=C=O)が炭素鎖の内部に位置し、両側を炭素原子に挟まれているのが特徴。

最も単純な例はアセトンで、溶剤として幅広く利用されている。

ケトンは揮発性を持ちやすく、果実や植物精油の芳香成分として自然界にも多く存在する。

香料・医薬品・合成化学の原料など多様な用途を持ち、日常生活から産業分野まで幅広く関わる重要な化合物群である。

語源

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Ketonは、最も単純なケトンであるアセトン(Aceton)の名称に由来する。
アセトンという言葉は、ラテン語で「酢」を意味する acetum に由来し、アセトンが酢酸から合成されることにちなむ。
Ketonという語は、Acetonの名称の後半部分(-eton)に、ドイツ語で化合物を示す接尾辞などを組み合わせた造語として成立した。

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Lactone (ラクトン)

lactone 読み:らくとん
とは、

概要

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ラクトンは、ヒドロキシ酸が分子内で脱水縮合してできる環状エステルの総称。

有機化学の分野では基本的な構造の一つとして扱われ、分子内に酸素を含む環構造を持つため安定性と反応性を併せ持つ。

自然界には果物、発酵食品、植物精油などに広く存在し、特にγ-デカラクトンやγ-ウンデカラクトンは桃やココナッツに似た甘い香りを放ち、食品香料や香水に利用されている。

また人間の皮膚からも発せられる成分であり、若い女性の皮膚表面から特有の甘い香りを生じるラクトンが確認されている。
このため、体臭研究や化粧品・香粧品分野においても重要な研究対象となっている。

語源

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ラテン語 lac「乳」に由来し、「乳に含まれる物質」を意味する。
これは、乳の成分から最初にこの種の化合物が分離されたことにちなむ。
語尾の「-one」は化学命名法でケトンや関連化合物に使われる語尾からの影響を受けている。

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環状

エステル

Ester (エステル)

ester 読み:えすてる
とは、

概要

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エステルは、有機化学において重要な化合物群で、カルボン酸とアルコールが縮合して水が抜けることで生成される。

多くのエステルは果物のような甘い香りを持ち、香料や食品添加物として利用されるほか、可塑剤や溶剤としても広く使われる。

また、生体内では脂肪やリン脂質といった形で存在し、生命活動に欠かせない役割を担っている。

語源

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ドイツ語の「Ester」に由来し、19世紀のドイツの化学者 Justus Freiherr von Liebig (ユストゥス・フォン・リービッヒ)によって造られた造語。

リービッヒは、酢酸とアルコールから作られる化学物質「酢酸エーテル(Essigäther)」を研究していた。
彼はこの言葉を短くするために、「Essig(酢)」と「Äther(エーテル)」を組み合わせ、新しい語「Ester」を作り出した。
この造語が後に、アルコールと酸から生成される有機化合物の総称として広く使われるようになった。

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イノシン酸 (いのしんさん)

inosinic acid 読み:イノシニックアシッド
イノシン酸 読み:イノシンサン
とは、

概要

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イノシン酸は、イノシンという化合物にリン酸が結びついた有機物で、核酸の分解によって生じる。

特に肉や魚などの動物性食品に多く含まれ、うま味成分として知られている。

調味料や食品添加物としても利用されており、グルタミン酸やグアニル酸と組み合わせることで、うま味が相乗的に強まる性質がある。

語源

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inosine」に、-ic「〜の」acid「酸」がついた形で、つまり「イノシンに由来する酸」という意味になる。

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inosine

グルタミン酸