良俗 (りょうぞく)

良俗 読み:リョウゾク
とは、

概要

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良俗」は、「善良な風俗」の略で、社会の中で広く受け入れられている道徳的な価値観や、常識的な生活習慣を指す。
法律に明文化されていなくても、一般的に人々が「当然そうあるべき」と考える倫理観や慣習が含まれる。

「公序良俗」という言い回しで使われることが多く、これは「社会の秩序と善良な道徳」をまとめて表す言葉。
契約や言動がこの「良俗」に反する場合、法律上の効力が認められないこともある。

例文

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・その広告は良俗に反するとして放送中止になった。

良俗を守ることは、自由な社会にとって重要だ。

語源

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「よい」「人々の慣習や生活」という意味から。「良俗」は「善良な習慣」や「道徳的に正しい生活様式」を意味する熟語として、漢文訓読の流れで日本語に定着した。
明治以降、特に法的文脈で「公序良俗」という語の一部として多用されるようになった。

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公序 (こうじょ)

公序 読み:コウジョ
とは、

概要

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公序」は、「公の秩序」の略で、社会全体が守るべき基本的なルールや秩序を意味する。

法令、道徳、慣習などを含み、「個人の自由」や「契約の自由」よりも優先されることがある。
たとえば「公序良俗」という形で使われることが多く、「社会の秩序」と「善良な風俗(=道徳的な価値観)」の両方を指す。

法律や契約の分野では、公序に反する内容は無効とされることがあるため、重要な概念となっている。

例文

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公序を乱す行為は、たとえ法律に触れなくても社会的に非難される。

その契約は公序に反するため、法的には無効と判断された。

語源

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」は「社会全体」や「国家」を意味し、「」は「秩序」や「整った状態」を表す言葉。中国の古典語に由来し、日本でも律令制の時代から「国家の秩序」や「社会の安定」を表す語として使われてきた。「公序良俗」という熟語は、明治以降の近代法体系の中で定着した表現。

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秩序

風俗 (ふうぞく)

風俗 読み:フウゾク
とは、

概要

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風俗」という語は、もともと「人々の暮らしぶりや習慣」「社会全体の生活様式」を意味する。
たとえば「江戸時代の風俗」や「地方の風俗」といった使い方では、その時代・地域に特有の生活のあり方や文化的な慣習を表す。

一方、現代日本では「風俗店」「風俗嬢」などの形で、性産業に関わるサービス業を指す略称としても広く使われている。
この用法では「性風俗(せいふうぞく)」の略と考えられ、文脈に応じて意味が大きく異なるため注意が必要。

例文

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明治時代の風俗を描いた絵が展示されている。
(=当時の生活習慣・文化を表現したもの)

彼は風俗で働いている女性と交際している。
(=性風俗業の従事者)

語源

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風俗」は、中国語に由来し、「」は習わし・気風、「」は世間の習慣やしきたりを意味する言葉。古くから「世の中の習慣」全般を指す語として使われていた。日本でも漢文訓読の中でこの言葉が導入され、時代や地域の「風習」「生活様式」を指す表現として定着した。

現代の性産業を指す略称としての使い方は、日本における業界用語的な転用で、20世紀以降に定着したものである。

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しきたり

悪辣 (あくらつ)

悪辣 読み:アクラツ
とは、

概要

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悪辣とは、人の道に外れた卑劣で非道なやり方をするさまを表す言葉。

特に、他人をだます・陥れる・搾取するなどの手段が、意図的かつ冷酷である場合に使われる。

悪辣な手口」「悪辣な権力者」などのように、道徳的非難を含む形で使われることが多い。

語源

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「わるい」「手段や性格が厳しく、容赦ない」という意味から。

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官公需 (かんこうじゅ)

官公需 読み:カンコウジュ
とは、

概要

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官公需とは、国・地方公共団体・政府関係機関などの公的機関が、物品の購入や工事、役務サービス)などを民間に発注する際に発生する需要のこと。
たとえば、官公庁による建物の建設、備品の購入、業務委託、ソフトウェア開発などがこれに含まれる。

この需要は公共予算に基づいており、地域経済の振興や中小企業支援などの政策的目的とも密接に関わっている。

官公需への対応は、一般競争入札や随意契約などの形で行われ、発注先となる企業や個人にとっては重要な取引機会となる。

例文

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・地元の中小企業が官公需を受注し、地域経済の活性化につながった。

・彼の会社は、官公需に特化した営業体制を整えている。

語源

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「国の機関」「地方公共団体」「需要」を意味し、公的機関による需要全般を表す熟語。
戦後の日本において経済復興の一環として注目され、特に「中小企業向け官公需の拡大」は政策用語として定着した。

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随意契約