政治

比例代表制 (ひれいだいひょうせい)

比例代表制 読み:ヒレイダイヒョウセイ
比例代表制度 読み:ヒレイダイヒョウセイド
とは、

概要

詳細≫

比例代表制とは、選挙で得られた票数の割合に応じて、政党または候補者に議席を配分する制度。

多数派だけでなく、少数派の意見も議会に反映されやすいのが特徴。
日本では衆議院参議院の両方で一部に導入されている。

衆議院では、全国を11の比例ブロックに分け、政党名で投票する「拘束名簿式比例代表制」が採用されている。
各政党は事前に名簿順位を定めており、議席は得票数に比例して、上位から順に配分される。
また、小選挙区と比例代表の重複立候補が認められており、選挙区で落選しても、惜敗率に応じて比例で復活当選することがある。

参議院では、全国を一つの選挙区とする全国比例(非拘束名簿式比例代表制)が採用されている。
有権者は政党名または候補者名のいずれかを投票できる。
政党の獲得議席数に応じて、候補者の個人得票数の多い順に当選者が決まる。
ただし、2019年の制度改正以降は、政党があらかじめ順位を指定できる「特定枠」も併用されており、その枠に指定された候補は得票数に関係なく優先的に当選する。

比例代表制は政党本位の政治を促進し、広い民意の反映につながる一方で、候補者個人の顔が見えにくくなる、党の名簿管理に偏りが生じるといった課題もある。

語源

詳細≫

比例「数量の比に応じて配分すること」という意味から。
比例代表制は、19世紀ヨーロッパで生まれた選挙制度で、各勢力の得票に応じて議席を分配する方式として定着した。現在ではドイツ、スウェーデン、イスラエルなど、多くの民主国家で用いられている。日本では1994年の選挙制度改革以降、衆議院参議院の両方で一部導入されている。

関連記事

比例

参議院比例区

選挙区 (せんきょく)

選挙区 読み:センキョク
とは、

概要

詳細≫

選挙区とは、議員や代表を選ぶために設けられた地域の単位。
国政選挙や地方選挙などで用いられ、有権者は自分の属する選挙区の候補者に投票する。

日本の衆議院・参議院選挙では、都道府県や市区町村の範囲をもとに複数の選挙区が設定されており、それぞれの区ごとに定められた人数の議員が選ばれる。

選挙区では、通常「個人名」で候補者に投票し、最多得票者が当選する仕組みがとられている(小選挙区制・中選挙区制などがある)。

比例代表制度とは異なり、地域ごとの代表を選ぶ性格が強く、地元とのつながりが重視される傾向がある。

語源

詳細≫

選挙「人を選ぶ行為」「区画、区域」で、「代表者を選出するために分けられた区域」を意味する。
明治期に西洋の議会制度が導入された際に作られた政治用語。

関連記事

比例代表制度

参議院比例区 (さんぎいん ひれいく)

参議院比例区 読み:さんぎいん ひれいく
全国比例 読み:ぜんこくひれい
とは、

概要

詳細≫

参議院比例区は、参議院議員通常選挙において、政党や候補者個人に対して比例配分で議席が割り当てられる選挙区を指す。

この制度では、全国を一つの選挙区(全国区)として扱い、有権者は政党名または候補者個人名で投票する。
政党への得票数に応じて議席数が決まり、その政党内での候補者の個人得票数によって当選者の順位が決まる「非拘束名簿式比例代表制」が採用されている。
ただし、2019年からは一部に「特定枠」が導入され、政党が優先的に当選させたい候補者を名簿の上位に指定できる。

公職選挙法上の正式名称は「比例代表選出議員選挙」だが、一般には「参議院比例区」「全国比例」などと呼ばれる。

なお、衆議院比例代表制と異なり、ブロック制ではなく全国単位で実施されるのが特徴。

選挙区選挙と比例代表選挙の違い

詳細≫

選挙区選挙は都道府県など地域ごとに分かれ、候補者個人に投票し、多数得票者が当選する方式。

比例代表区は全国を一つの区とし、政党や候補者に投票。
政党の得票に応じて議席を割り当て、党内得票順で当選者を決める方式。

語源

詳細≫

比例」は得票数に比例して議席を配分する制度、「」は選挙区を意味する。
制度としては1983年の法改正により導入され、以前の「全国区制(全国を選挙区として個人を選ぶ方式)」に代わる形で施行された。

同義語

比例代表区 (ひれいだいひょうく)

比例代表選挙 (ひれいだいひょうせんきょ)

比例代表選出議員選挙 (ひれいだいひょうせんしゅつぎいんせんきょ)

関連記事

参議院

比例

選挙区

比例代表制

資本主義 (しほんしゅぎ)

資本主義 読み:シホンシュギ
Capitalism 読み:キャピタリズム
とは、

概要

詳細≫

資本主義は、土地・工場・資金などの生産手段を個人や企業が所有し、自由な競争と市場の働きによって商品やサービスを取引する経済体制。
利潤を得ることを主な目的とし、価格や生産量などは市場(需要と供給)によって決まる。

国家が経済にほとんど関与せず、市場の自由に任せる「自由放任(レッセフェール)」の原則が基本とされるが、現代の資本主義では、政府が一定の介入(規制や福祉政策)を行う混合経済が一般的となっている。

富の創出や技術革新を促す一方で、貧富の差や経済格差などの問題も生み出すため、調整や修正が求められる場面も多い。

起源

詳細≫

資本主義の起源は16〜18世紀のヨーロッパにさかのぼる。商業活動の発展や産業革命を背景に、労働力を雇って商品を生産し、利益を追求する経済活動が広まった。
資本主義」という言葉自体は、19世紀にマルクスが使用し始めた概念であり、それ以前から存在していた制度を理論的に定義・批判する形で登場した。

関連記事

資本

共産主義

社会主義

マルクス主義

マルクス主義 (まるくすしゅぎ)

マルクス主義 読み:マルクスシュギ
英語:Marxism 読み:マルクシズム
ドイツ語:Marxismus 読み:マルクスィスムス
とは、

概要

詳細≫

マルクス主義は、ドイツの思想家カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスによって提唱された社会・経済・歴史に関する理論体系。
資本主義社会における労働者の搾取構造を分析し、社会は階級闘争によって進化するという立場を取る。

この思想では、歴史は生産手段の変化とそれを巡る階級の対立によって動いており、資本主義は必然的に崩壊し、社会主義を経て共産主義社会へと進むとされる。

政治思想・経済学・哲学が融合した理論であり、20世紀以降、世界各地の社会主義運動や革命運動の根本的な理論的支柱となった。

現代ではさまざまな解釈・派生(レーニン主義・毛沢東思想・西欧マルクス主義など)が存在する。

共産主義・社会主義・マルクス主義の違い

詳細≫

社会主義

生産手段を社会で共有し、利益は国家などが管理して分配する。
形態によっては給料や物価も国が決める(旧ソ連型)。
ただし、市場経済を残しながら福祉を重視するタイプもある(北欧型)。

共産主義

すべての財産・利益を人々全体で共有し、国家による管理そのものが不要となる理想社会。
階級や国家が消滅し、完全な平等が実現された状態。

マルクス主義

社会は「資本主義 → 社会主義 → 共産主義」と進化するという理論。
社会主義は資本主義の矛盾を解決するための過渡的な段階であり、共産主義は最終的な到達点とされる。

起源

詳細≫

マルクス主義は、19世紀半ばのヨーロッパで、急速に進行する産業資本主義と労働者階級の困窮を背景に生まれた。1848年に発表された『共産党宣言』が理論の出発点とされる。
マルクスは、ヘーゲル哲学とイギリスの経済学、フランスの社会主義思想を融合させ、社会の変化を「唯物史観」によって説明した。
その後、マルクスの死後もエンゲルスや後継の思想家たちによって発展・分化し、20世紀には各国の共産党や革命政権の理論的根拠となった。

関連記事

共産主義

社会主義