
頭巾雲 読み:ズキングモ
とは、
『発達中の積雲や積乱雲の頂上に、一時的に現れる頭巾状の薄い雲』
概要
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頭巾雲とは、積雲や積乱雲が急速に発達するとき、その雲の頂上部に、まるで頭巾やベレー帽をかぶせたように現れる薄くて丸みを帯びた雲のこと。
気象学的には「pileus(ピレウス)」と呼ばれ、略号は「pil」。雲頂に接して現れる場合と、やや上空に浮かぶように出現する場合がある。
この雲は、下層の積雲・積乱雲に強い上昇気流が生じ、その勢いで上空の湿った安定層が持ち上げられ、冷却・凝結することで生まれる。見た目は美しいが、天候急変の予兆であることが多く、雷雨や突風、ひょうなどに注意が必要。
寿命は短く、数分から十数分で消えることが一般的。
なお、「ベール雲」と混同されることがあるが、頭巾雲はより局所的・立体的な形状を持ち、水平に大きく広がるベール雲とは性質が異なる。
語源
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「頭巾雲」は、見た目が人の頭にかぶる「頭巾」に似ていることから名づけられた和語表現。ラテン語名「pileus(ピレウス)」は古代ローマで使われたフェルト帽を指し、形状から命名されている。気象学の専門用語としては、国際的には「副変種雲(supplementary feature)」の一つとされており、分類上は主に層積雲・高層雲・巻雲などに属する。