哲学

ヒッチンズの剃刀 (ひっちんずのかみそり)

Hitchens’s razor 読み:ヒッチェンズレイザー
ヒッチンズの剃刀 読み:ひっちんずのかみそり
とは、

証拠なしで主張できるものは、証拠なしで却下することもできるという考え方』

概要

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ヒッチンズの剃刀は、イギリスの作家クリストファー・ヒッチンズが提唱した論理的な基準。

何かを主張する際、その主張に十分な証拠がない場合、その主張を無視してよいという考え方を指す。

この原則は、特に宗教的信念や超自然的な存在に関する議論で用いられることが多い。たとえば、「神が存在する」と主張する人が、その証拠を示せない場合、その主張を退けても問題ないとされる。

この考え方は科学的な議論や批判的思考の中でも重視される。

語源

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イギリスの作家クリストファー・ヒッチンズ(1949–2011)の著書『God Is Not Great』に記載された内容が語源。
「剃刀」は不要な仮定や曖昧な主張を切り捨てるという意味で、オッカムの剃刀に由来する比喩的な表現。

同義語

ヒッチェンズの剃刀 (ひっちぇんずのかみそり)

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オッカムの剃刀

主張

信念

オッカムの剃刀 (おっかむのかみそり)

Occam’s razor / Ockham’s razo
読み:オッカムズレイザー
オッカムの剃刀
読み:おっかむのかみそり

とは、

『必要以上に仮説を立てるべきでないという考え方』

概要

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オッカムの剃刀は、複数の仮説があるとき、無駄に複雑なものを排除して、できるだけ簡潔で合理的な説明を選ぶべきだとする原則。科学や哲学の分野で頻繁に引用される。

例えば、ある現象を説明するのに「単純な自然現象」か「複雑な超常現象」のどちらかを選ぶ場合、前者が支持されやすい。

語源

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ラテン語の “Entia non sunt multiplicanda praeter necessitatem“「存在は必要以上に増やしてはならない」に基づく。イギリスの神学者ウィリアム・オッカムが提唱したことから名付けられた。

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Deconstruction (デコンストラクション)

deconstruction 読み:でこんすとらくしょん
脱構築 読み:だつこうちく
とは、 

哲学

『既存の仕組みを解体し、新たに構築し直すこと』

概要

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Deconstructionは、フランスの哲学者ジャック・デリダによって提唱された哲学的な概念

この概念は、既存の仕組みを解体し、その内在する矛盾や多義性を明らかにすることで、表面上の意味や構造を再評価する手法を指す。

語源

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ジャック・デリダが作った造語で、de-「離れる」construction「構造」で、「破壊して再構築する」という意味から。

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construction

Swampman (スワンプマン)

swampman 読み:すわんぷまん
とは、

概要

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スワンプマンとは、哲学で議論される自己同一性の問題を示す思考実験の一つ。

これは、泥沼(スワンプ)から偶然に人間と全く同じ姿・記憶・性格を持つ存在(スワンプマン)が生まれた場合、その存在は元の人物と同一人物と言えるのかを問うものである。

自己の本質や意識、記憶の役割について考察する際によく用いられる。

思考実験の詳細

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・ある男が沼で雷に打たれて死亡する。

・その直後、沼の中から死んだ男と全く同じ性質を持つ存在が偶然に生まれる(これをスワンプマンと呼ぶ)。

スワンプマンは脳、感性、癖、体質に至るまで、死んだ男と全く同一である。

主な観点

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・死ぬ前の人物とスワンプマンは同一人物とみなせるのか。

・肉体の構造や物質の違いは存在するといえるのか。

・心や意識の違いは存在するといえるのか。

・時間の経過や歴史の違いは問題となるか。

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