きどい (キドイ)

「きどい」は、山形を中心に使われる方言で、主に山菜のあくやえぐみ、強いクセを感じるときに使う語。

味が濃い、風味がとがっている、といったニュアンスを含み、食べづらさを伴う場面で用いられることが多い。「この山菜、きどくてかんねー（食えねー）」のように、日常の食に関する感覚的な表現として定着している。

・このわらび、きどくて食われね。

・山菜は好きだけど、これはちょっときどいな。

語源には諸説があり確定していない。

一説では、「きっと」の古い形とされる「きと」に由来し、「そのもの本来の特徴がはっきり表れている」という性質を示す語だったとされる。
この説では富山方言「きときと（新鮮で活きが良い）」と同系統とみなすが、学術的な裏付けは十分ではなく、推測的な位置づけにとどまる。