村八分 読み:ムラハチブ
とは、
『村や共同体の中で、特定の個人や家族を仲間外れにすること』
概要
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村八分とは、村落共同体において規律や慣習を破った者や嫌われた者を、生活上の付き合いから締め出す慣習をいう。
火事や葬式など最低限の助け合いは残す場合が多く、それ以外の行事や交際を断絶する形で行われた。
江戸時代の農村社会で広まり、社会的制裁の手段として強い効果を持った。
現在では比喩的に、集団からの孤立や排除を表す言葉としても用いられる。
例文
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・彼は規律を乱したため、村八分にされて孤立した。
語源
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「村八分」には二つの代表的な説がある。
動詞「はぶく」「はじく」に由来するという説
この説は、「村」という単位から、不要なものを「省く(はぶく)」「弾く(はじく)」という意味に転じたというもの。
不要なものを退ける意から、仲間から排除する意味に発展したとされ、学術的にはこちらが有力視されている。
「火事と葬式を除いた八分の交際を断つ」という説
「村八分」は、村の共同生活における十の互助関係のうち、「火事」と「葬式」の二分だけを残し、他の八分を断つことから生まれた言葉と言われている。
つまり助け合いの十の場面のうち二つは例外として残し、他は断絶するという説明。
広く知られるが俗説とされる。