共産主義 読み:キョウサンシュギ
Communism 読み:コミュニズム
とは、
『すべての財産や生産手段を社会全体で共有し、階級も国家もない平等な社会を目指す思想』
概要
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共産主義は、富や生産手段をすべての人が共同で所有し、貧富や支配関係のない平等な社会を実現しようとする思想。
私有財産や階級制度、国家権力を否定し、人々が自律的に共同生活を営む社会を理想とする。
マルクス主義では、資本主義による搾取を乗り越え、まず社会主義を経て、最終的に国家や階級の消滅した共産主義社会に到達するとされる。
「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」という原則が中心にある。
現実には、共産主義を掲げる国家も、その多くは社会主義段階にとどまり、完全な共産主義社会は未だ実現されていない。
共産主義・社会主義・マルクス主義の違い
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社会主義
生産手段を社会で共有し、利益は国家などが管理して分配する。
形態によっては給料や物価も国が決める(旧ソ連型)。
ただし、市場経済を残しながら福祉を重視するタイプもある(北欧型)。
共産主義
すべての財産・利益を人々全体で共有し、国家による管理そのものが不要となる理想社会。
階級や国家が消滅し、完全な平等が実現された状態。
マルクス主義
社会は「資本主義 → 社会主義 → 共産主義」と進化するという理論。
社会主義は資本主義の矛盾を解決するための過渡的な段階であり、共産主義は最終的な到達点とされる。
起源
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共産主義の思想的起源は、19世紀ヨーロッパの社会主義運動にある。特に、カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスが1848年に発表した『共産党宣言』が理論的な出発点とされる。
ただし、財産を共有するという発想自体は古くから存在し、古代の共同体社会や宗教的平等思想にも類似の概念が見られる。
マルクスはそれらを科学的理論として体系化し、資本主義社会の矛盾から共産主義に至るまでの歴史的な必然性を「唯物史観」に基づいて説いた。